はじめに
「投資を始めなきゃ…でも、何から始めればいいのか分からない」
そんな声をよく耳にします。
SNSやYouTubeで「株を買おう!」「不動産投資でFIRE!」という情報が溢れる中、「私はまだ預金だけです…」と少し後ろめたさを感じている人も多いかもしれません。
でも、声を大にして言いたい。 預金も資産形成の土台として重要な第一歩です。
今回は、一級建築士として「暮らしとお金の設計」をしている私の目線で、預金という選択肢の重要性と、そこからどう資産形成へステップアップしていくかをわかりやすく解説していきます。

「貯蓄」と「投資」の違いを理解しよう
まず基本的な用語の整理から始めましょう。
貯蓄(預金など)
- 元本が保証されている
- リスクが低い
- 安全性が高い
- リターン(金利)が低い
投資(株式・投資信託・不動産など)
- 元本保証がない
- リスクを伴う
- 収益性(リターン)が期待できる
- 資産価値が変動する
預金は厳密には「貯蓄」に分類されますが、将来のために今のリソースを投じるという意味では広い意味での「資産形成」の一部と考えられます。大切なのは、これらをバランスよく組み合わせることです!
建築士目線で見る「預金の価値」
建築の現場では、「目に見えない備え」が建物の安全性を左右します。たとえば耐震設計や基礎工事など、普段は意識されない部分が、長く安全に住むうえで大きな価値を生み出します。
預金もこれと同じ。「目に見えにくいけれど、人生という建物の”基礎”を支える」役割があるのです。
どんなに素晴らしい家でも、地盤が弱ければ危険です。同様に、いきなり全額を高リスクの投資に回すのではなく、まずは預金という安定した基礎を作ることが重要なんです。
投資が怖い…という気持ち、よく分かります。その上で知っておいてほしい話です↓
投資はギャンブルじゃない!初心者が知るべき3つの真実と成功への道
預金を”資産形成の第一歩”にする3つの視点
①目的を持って貯める
なんのための預金か?を明確にすると、単なる「貯金」が「目的のある資産」に変わります。 例)
- 子どもの教育資金(→未来の可能性への準備)
- 住宅購入の頭金(→暮らしの質向上のための種銭)
- 自分の事業資金(→自己成長のための原資)
- 緊急時のための生活防衛資金(→安心を買う保険)
②リスクと安心のバランスを取る
資産形成には「攻め」と「守り」が必要です。預金は守りの資産。すぐに使えて、価値の変動が少ない。だからこそ、株や投資信託に挑戦する前の土台づくりに最適なんです!
ただし、預金だけではインフレによる購買力の低下に対応できないという限界もあります。例えば、年2%のインフレが続けば、10年後には同じ金額でも買えるものが約82%に減ってしまいます。だからこそ、ある程度の基盤ができたら、一部を収益性の期待できる投資に回すことも検討すべきなのです。
③「貯めるだけ」から「使い分ける」への進化
将来の夢や目標のために貯めたお金は、目的に合わせて適切に配分・活用してこそ意味がある資産です。
具体的な「資金の役割分担」の例:
- 生活防衛資金(3〜6ヶ月分)→ 普通預金・定期預金
- 1〜3年以内に使うお金 → 定期預金・国債
- 5年以上の長期で増やしたいお金 → 投資信託・株式など
資産形成は「預金か投資か」の二択ではなく、目的に合わせた「ポートフォリオ(資産の配分)」を作ることが大切です!
預金だけでは難しい点と対策
預金が重要な一方で、長期的な資産形成において預金だけでは難しい点もあります:
- インフレへの対応が難しい:現在の日本の預金金利は0.1%程度と低く、物価上昇に追いつきません
- 長期的な資産増加が期待しにくい:教育資金や老後資金など大きな金額には、ある程度の「増やす力」も必要です
- 機会損失のリスク:長期的には、適切な投資により得られたはずのリターンを逃す可能性もあります
だからこそ、預金という土台をしっかり固めた上で、少しずつ投資にもチャレンジしていくステップアップが理想的です。

Q&Aコーナー
Q. 今は貯金しかしていません。将来的に資産形成できるか不安です。
→安心してください!むしろ、しっかりと預金できる習慣がある人は、その先の資産形成でも成功する確率が高いです。まずは”守り”の土台を築けている自分に自信を持ってOKです。大切なのは、ある程度の預金ができたら、次のステップを考え始めることです。
Q. 預金だけだと、お金が増えないのでは?
→確かに、利率だけで見れば増え方は小さいです。ただし、精神的な安心感=生活の安定=チャレンジする余裕にもつながります。そしてその余裕が、次の一歩(副業・投資・起業)につながることも多いんです。預金は「お金を増やす」だけでなく、「チャレンジできる環境を作る」投資とも言えるのです。
Q. 投資を始めるにはどのくらいの預金があればいいですか?
→一般的には、「生活費の3〜6ヶ月分」を緊急用資金として預金で確保した上で、余裕資金から投資を始めるのがおすすめです。また、投資は必ず「失っても生活に支障のない金額」で行いましょう!
実体験:僕の「預金から投資へ」のステップアップ体験
僕自身も、最初は投資なんて全くの未経験。家計を見直して、まずは毎月の貯金額を5万円確保することからスタートしました。
具体的なステップ
- まず半年で30万円の緊急用資金を確保:残業や副業も活用し、安心の土台を作りました
- 預金が100万円を超えたタイミングで勉強開始:投資信託や株式について本を5冊読み、セミナーに参加しました
- 投資の初めの一歩として、毎月1万円の積立投資を開始:少額からコツコツと始め、「投資は怖くない」と実感できました
- 3年目には、貯蓄と投資の比率を6:4に調整:預金600万円、投信400万円という形で、安全性と成長性のバランスを取りました
預金から1歩踏み出すなら、1万円から始めてみるのもアリ。やり方はこちら!
1万円で始める!初心者でも安心な投資ガイド|少額から将来を変える方法
リスク管理のポイント
投資へステップアップする際の具体的なリスク管理方法:
- 分散投資:一つの商品や銘柄に集中せず、複数に分散する
- 時間分散:一度にまとめて投資せず、積立投資で時間を分散する
- 少額から始める:最初は月1万円程度の少額から始め、慣れてから金額を調整する
- 自分の許容できるリスクを知る:値動きで眠れなくなるような投資は避ける
- 長期的視点を持つ:短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な目線で取り組む
まとめ
- 預金は「貯蓄」であり、資産形成の重要な土台になる
- 預金の安定性と投資の成長性、両方をバランスよく活用するのが理想的
- 建築士の目線で言えば、見えない部分の備えが、人生の構造を支える
「投資=株や不動産」だけが資産形成ではありません。まずは預金という安心感のある土台を築き、そこから少しずつステップアップしていく。それが長期的に成功する資産形成の第一歩です!
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