20代建築士が「自分なら買わない物件」3つの特徴|将来後悔しないために知っておくべき視点

はじめに

マイホーム選びって、「場所」「広さ」「見た目」だけで決めていませんか? 20代で家を買う人が増えてきた今だからこそ、建築士としてのリアルな目線で伝えたいことがあります!

今回は、これまで多くの物件を見てきた中で「自分だったら絶対に買わないな…」と感じた物件の特徴を3つに絞って紹介します。

購入前にこの記事を読んでおけば、後悔のない選択につながるはずです。住む場所であると同時に大切な家計の柱となる家選びに、ぜひ参考にしてください!

① 再建築不可物件のリスク

  • 一見お得に見えても、将来的にリスクが大きい
  • 売るときに値段がつかないことも…=家計の痛手に直結

再建築不可とは何か?

「再建築不可」とは、現在の建築基準法に適合していないため、建物が滅失(取り壊しや災害で消失)した場合に、同じ場所に同じ規模の建物を建てられないことを意味します。具体的には以下のケースが多いです:

  • 接道義務(建築基準法第43条)を満たしていない
  • 道路幅員が4m未満の道路にのみ接している
  • 旗竿地など特殊な形状の土地

✅ 建築士のリアル体験: 再建築不可の物件を相続してしまったお客様が「売れない」「貸せない」で困っていたケースがありました。火災で建物が焼失した後、再建築できず更地にするしかなく、資産価値が大幅に下落してしまったのです。

再建築不可物件の活用方法

どうしても立地が良く購入を検討する場合は、以下の活用方法も考えられます:

  • 現状の建物を長く使い続けるための徹底的なメンテナンス計画を立てる
  • 将来的に駐車場や菜園などとして活用する想定をしておく
  • 隣地を購入して接道条件を満たす可能性を探る(費用:土地価格+登記費用約10万円)

チェックポイント

物件情報で「再建築不可」の記載がないか確認し、不明な場合は不動産会社や役所に必ず確認しましょう!価格が周辺相場より20〜30%安い物件は要注意です。

詳しい確認方法は[【建築士監修】資産になる家・ならない家の見分け方]の記事で解説しています。

② 築古リノベ物件の注意点

  • 築年数が古くても見た目だけおしゃれに仕上げてある
  • 耐震補強されていない・配管が古いなど見えない部分に不安が残る
  • 「構造図・図面がない」は要注意サイン

表面リノベの危険性

最近は築30年以上の物件をリノベーションして販売するケースが増えています。しかし、見た目の内装だけを新しくしただけで、構造部分や配管などの基幹設備に手を入れていないケースも少なくありません。

問題点と改修費用の目安:

  • 1981年以前の旧耐震基準の家屋は耐震性能が不十分
    • 耐震診断:5〜15万円
    • 耐震補強工事:50〜200万円
  • 給排水管の寿命は約20〜30年(交換していないと水漏れリスク)
    • 給排水管の交換:20〜50万円
  • 電気配線の老朽化によるショートや火災リスク
    • 電気配線の更新:15〜30万円

✅ 建築士のチェックポイント: 内装よりも「構造」「基礎」「水まわり配管」をまずチェック!フローリングや壁紙が新しくても、その下の状態が重要です。インスペクション(住宅診断:5〜15万円)を必ず受けることをおすすめします。

確認すべきこと

  • リノベーションの範囲と内容の詳細資料
  • 耐震診断結果や耐震補強工事の有無
  • 給排水管・電気配線の更新状況
  • 過去の修繕履歴と図面

③ 問題のある土地の見極め方

  • 高低差が大きすぎる|擁壁が古くて危険
  • セットバックが必要な接道条件
  • 地盤改良していなかった→家が傾くリスクも(実例あり)

土地の問題が家計を圧迫する

美しい建物に目を奪われがちですが、土地の問題は将来的に大きな出費になります。地盤沈下や擁壁の崩壊は、修繕費用が数百万〜数千万円にもなることがあります。

特に注意したい土地の特徴:

  • 急斜面に位置している(土砂災害警戒区域など)
  • 擁壁が老朽化している(修繕費用:100〜500万円)
  • 地盤が軟弱(過去に田んぼや沼地だった場所など)
  • 建ぺい率・容積率の制限が厳しい

✅ 建築士の視点: 建物より「土地のポテンシャル」が家の価値を左右します。将来売るときにも大きな差が出ます!地盤や接道の状況、法的制限などをしっかり調査することが重要です。

具体的な調査方法と費用

  • ハザードマップの確認:無料(市区町村のウェブサイトで閲覧可能)
  • 地盤調査:5〜10万円
  • 法務局での公図取得:数百円
  • 土地の履歴調査:1〜5万円

詳しいハザードマップの見方については、[【保存版】マイホーム選びで失敗しない10のポイント]で詳しく解説しています。

若い世代の家選びで大切なこと

  • 住宅ローンを払っても”家計の味方”にならなければ意味がない
  • 将来「貸す」「売る」「住み替える」ことも視野に入れるべき
  • 建築士として断言:**”家選び=人生の投資”**です!

20代で知っておくべきこと

20代で家を買う場合、35年ローンを組むと50代後半まで返済が続きます。その間にライフスタイルの変化や転勤などで住み替えが必要になることも多いでしょう。「売れない・貸せない物件」を抱えてしまうと、家計に大きな負担がかかります。

資産価値が維持できる物件の共通点:

  • 駅や主要道路からのアクセスが良い
  • 法的な問題(再建築不可など)がない
  • 構造がしっかりしている(耐震性・耐久性)
  • 土地の形状が整形で使いやすい

Q&Aコーナー

Q. 中古物件って結局ダメなの?

A. そんなことはありません!構造がしっかりしていて、リノベ前提で購入するならむしろアリです。見た目だけで判断しないことがポイントです。適切なインスペクションを行い、必要な改修費用も含めた総額で判断しましょう。中古物件は新築より割安に購入できることが多く、立地条件の良い場所を選べる可能性も高いです。

Q. 素人でも物件の問題点を見抜く方法は?

A. 以下の方法が効果的です:

  • 「再建築可かどうか」→法務局や市役所で確認できます
  • 「地盤や土地のクセ」→ハザードマップ・地歴調査を活用しましょう
  • 「構造が安心かどうか」→インスペクション(住宅診断)を利用!第三者の専門家による客観的な評価が重要です

Q. 物件を見るときに持っていくべきものは?

A. 以下のものがあると便利です:

  • スマホ(写真撮影、方位確認アプリ)
  • メジャー(部屋の実寸確認用)
  • チェックリスト(確認したい項目をまとめておく)
  • 周辺環境確認用の地図

実体験:僕が購入を見送った物件の話

  • 立地も広さも完璧だったけど、擁壁の安全性が微妙でした…
  • 地盤調査結果を見て不安を感じ→専門家としてリスク回避を選択
  • 結果的に「住みたい家≠買うべき家」だと実感しました

具体的なケース

素敵な眺望と理想的な間取りに惹かれた物件がありました。価格も予算内で、すぐにでも住みたいと思ったのですが、建築士としての視点で土地を調査したところ、擁壁の老朽化と地盤の弱さが判明。

修繕費用を見積もったところ約300万円かかることがわかり、さらに将来的に追加工事が必要になる可能性も。「今は問題なくても、10年後に大きな出費があるかもしれない」と考え、断念しました。

その後、条件は少し劣るものの土地に問題のない物件を選びました。見た目や立地で妥協した部分はありますが、「安全・安心」という点では大正解だったと感じています。

あなたの物件購入体験を教えてください!

皆さんが物件購入時に「これは買わない方が良いと判断した理由」や「予想外の問題が見つかった経験」などがあれば、ぜひコメント欄や#マイホーム選び体験のハッシュタグでシェアしてください!

次回の記事で紹介させていただくかもしれません。皆さんの経験が、これから家を買う方々の参考になります!

無料でダウンロード!物件チェックリスト

記事を最後まで読んでくださった方へ、「物件見学時チェックリスト」をご用意しました。以下のポイントをまとめています:

  • 再建築不可物件チェック項目
  • リノベーション物件確認ポイント
  • 土地の問題点発見方法
  • 物件見学時の写真撮影ポイント

ダウンロードは[こちら]から!

まとめ

物件選びは「暮らし」と「家計の安心」の両面から考えるべきものです。”買った瞬間から価値が落ちる家”をつかまされないためには、見えないリスクにも目を向けることが大切です!

20代でも賢くマイホームを選ぶなら、「今の快適さ」だけじゃなく「将来の選択肢」も考えてみましょう。専門家の目を借りることも重要です。インスペクションや土地調査の費用は数万円ですが、将来数百万円のリスクを回避できる可能性を考えれば、十分に価値のある投資といえるでしょう。

あなたのマイホーム選びが、後悔のない素晴らしい選択になることを願っています!

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