登場人物紹介
- RF(運営者):建築士×資産形成ナビゲーター。資格:一級建築士。建築設計と並行して自身の資産形成を絶賛行ってい。家とお金の両面から生活設計をサポート!
- けんた(32歳・建築設計士):筋トレとサウナが趣味。設計は得意だが、資産形成・住宅ローンは初心者。将来の独立と家族形成に向けて貯金中。
- さやか(27歳・ファイナンシャルプランナー):カフェ巡りと資産運用が趣味。月々3万円を積立投資中。暮らしとお金を大切にする堅実女子。既婚者で共働き。
【結論】
「貯金だけ」では資産は守れない時代。年率2%のインフレが続くと、100万円は20年後に約67万円の価値に目減りします。収入の伸び悩みや年金不安にも備え、「お金に働いてもらう」投資習慣が資産形成の第一歩です。
一緒に考えよう!”貯金+資産運用”の具体的な始め方をけんた&さやかと学んでいきましょう!

Q1. 「貯金だけじゃダメ」って本当?
けんた「俺、毎月5万円ちゃんと貯金してるけど、それだけで将来大丈夫かな?正直、投資って言われてもピンとこないんだよね。」
さやか「その気持ち、わかるよ。でもね、今は物価上昇が続いてるから、銀行に置いておくだけだと実質的にお金の価値が下がっちゃうんだ。例えば年率2%のインフレが続くと、10年後には現金の価値は約82%、20年後には約67%に目減りするんだよ。」
RF「そうなんです。日本銀行も2%のインフレ目標を掲げていますからね。一方で銀行金利は0.001~0.02%程度。これでは現金の価値はどんどん減っていきます。」
けんた「えっ、そうなの?じゃあ貯金って意味ないの?」
RF「いえ、貯金も大切です。突然の出費や失業に備える『安全資金』は現金で持っておくべきです。ただ、それ以上の余裕資金は『運用』にまわすのが今の時代の賢い選択なんです。」
貯金だけのリスクとは?
- インフレリスク:年率2%のインフレが続くと、100万円の価値は10年後に約82万円、20年後に約67万円に目減り
- 機会損失リスク:普通預金金利(0.001~0.02%)では資産はほとんど増えない
- 収入停滞リスク:日本の実質賃金は20年以上横ばい傾向で、給与アップだけに頼るのは危険
- 年金不安リスク:少子高齢化により将来の年金受給額減少の可能性
資金の3分類と配分目安
- 安全資金(現金):急な出費や失業に備える資金
- 目安:生活費の3~6ヶ月分(独身なら3ヶ月、扶養家族ありなら6ヶ月程度)
- 例:月々の生活費が25万円なら、75~150万円を現金で確保
- 成長資金(投資):長期的に増やしていく資金
- 目安:余裕資金の60~80%
- 例:積立NISAやインデックス投資信託で毎月自動積立
- 楽しみ資金:旅行や趣味など人生を豊かにする資金
- 目安:余裕資金の20~40%
- 将来の楽しみのために計画的に貯蓄
さやか「私の場合は、安全資金100万円を別口座に確保して、それ以上の貯金を投資に回してるよ。最初は怖かったけど、長期でコツコツやるのが大事なんだよね。」
Q2. 積立NISAとiDeCoってどう違うの?
けんた「投資って言っても、最近よく聞く積立NISAとiDeCoの違いがイマイチわからないんだよね。どっちから始めるべきなんだろう?」
さやか「私は両方やってるよ!目的によって使い分けるのがポイントなんだ。積立NISAは将来のマイホーム資金や子どもの教育資金など、iDeCoは老後資金って感じかな。」
RF「その通りです。どちらも非課税で運用できる制度ですが、使い道と特徴が異なります。詳しく比較してみましょう。」
積立NISA(目的:自由に使える資産形成)
- 投資上限:年間120万円まで
- 非課税期間:20年間
- 引き出し:いつでも自由(ただし引き出すと非課税枠は再利用不可)
- 対象商品:投資信託、ETF(上場投資信託)
- 特徴:
- 少額(100円)からスタート可能
- 長期・分散・積立投資に最適
- 節税効果:本来20%かかる税金が0円に
- 元本保証はないが、長期投資で安定したリターンを狙える
iDeCo(目的:老後資金づくり)
- 掛金上限:
- 会社員(企業年金なし):月額23,000円(年間276,000円)
- 会社員(企業年金あり):月額12,000円(年間144,000円)
- 公務員:月額12,000円(年間144,000円)
- 自営業者:月額68,000円(年間816,000円)
- 非課税期間:運用期間すべて
- 引き出し:原則60歳まで不可
- 対象商品:投資信託、保険商品、定期預金など
- 特徴:
- 3つの税制優遇(掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時控除あり)
- 月々5,000円から始められる
- 60歳まで引き出せないが、その分強制的に貯まる
実際のメリット比較(年収500万円の場合の試算)
積立NISA
- 毎月5万円(年間60万円)投資した場合
- 年間運用益(5%と仮定):約3万円
- 税金の節約額:約6,000円/年
iDeCo
- 毎月2万円(年間24万円)拠出した場合
- 所得税・住民税の節約:約52,800円/年
- 年間運用益(3%と仮定):約7,200円
- 税金の節約額:約1,440円/年
- 総メリット:約61,440円/年
RF「初心者におすすめの始め方は、まずは積立NISAから月3,000~5,000円の少額でスタートし、慣れてきたらiDeCoも検討するという順番です。両方併用するのがベストですが、資金に余裕がなければ優先順位をつけることも大切です。」
けんた「なるほど!じゃあ俺は、まず積立NISAで月5,000円からスタートしてみようかな。手続きはどうすればいいの?」
RF「積立NISAは、証券会社やネット銀行でオンライン申込みができます。必要なのは、マイナンバーカード(または通知カード)と本人確認書類(運転免許証など)です。申込みから口座開設まで2週間程度かかりますので、早めに始めるのがおすすめです。」
Q3. 株や投資信託ってハードル高くない?
けんた「株とか投資信託って難しそうで、正直怖いんだよね…。失敗したらどうしようって思っちゃうし、どこから手をつければいいのかわからない。」
さやか「私も最初はそう思ってたよ!でも、全部自分で選ぶ個別株と違って、投資信託なら専門家が運用してくれるから初心者向きなんだ。特に『インデックス型』なら手数料も安くて長期投資に向いてるよ。」
RF「そうですね。まずは両者の違いを理解しましょう。そして少額から始めることで、リスクを最小限に抑えることができます。」
個別株投資と投資信託の違い
株式投資
- 概要:特定の企業の株(所有権)を直接購入
- 最低投資額:1株から(数百円~数万円)
- リターン:配当金+株価上昇益
- リスク:個別企業の業績に左右される(高リスク)
- 必要な知識:企業分析、財務諸表の読み方、業界動向など
- 向いている人:自分で企業を選びたい人、高リターンを狙える
投資信託
- 概要:投資家からお金を集めてプロが運用する商品
- 最低投資額:100円~1,000円から可能
- リターン:分配金+基準価額上昇益
- リスク:分散投資で個別株より安定(中~低リスク)
- 必要な知識:基本的な金融知識があれば十分
- 向いている人:初心者、自分で選ぶ時間がない人、コツコツ積立派
初心者におすすめの投資信託
インデックス型投資信託の特徴
- 市場平均に連動する運用方針(日経平均やTOPIX、S&P500など)
- 手数料が安い(信託報酬0.1~0.3%程度)
- 長期投資に最適
- プロでも勝てない市場平均に投資する合理的な選択
おすすめインデックスファンド(例)
- 全世界株式型:eMAXIS Slim 全世界株式(信託報酬0.10%)
- 米国株式型:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.09%)
- 日本株式型:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)(信託報酬0.09%)
さやか「私は最初、月3,000円から全世界株式のインデックスファンドを積立NISAで始めたよ。少額だから失敗しても大丈夫って思えたし、続けるうちに投資の知識も増えてきた。今は月1万円に増やしてるよ。」
けんた「へぇ、意外と少額から始められるんだね。でも市場が暴落したりしたら怖くないの?」
RF「いい質問です。投資は必ず上下動があります。2008年のリーマンショックでは世界の株式市場が約半分に暴落しました。でも、その後10年でそれ以上に回復しています。大切なのは『暴落したら買い時』と考え、長期的な視点を持つことです。」

投資のリスク管理と失敗への対処法
- 長期投資で一時的な変動を乗り切る
- 投資期間10年以上なら、歴史的に見て株式投資はプラスのリターン
- 2000年以降の日経平均株価をチェックすると、短期では上下動が激しいが長期では上昇傾向
- ドルコスト平均法で買うタイミングの分散
- 毎月同じ金額を投資することで、価格変動リスクを平準化
- 高いときは少なく、安いときは多く自動的に購入できる仕組み
- 失敗したときの対処法
- パニック売りをしない(暴落時こそ冷静に)
- 投資を止めない(むしろ買い増しのチャンス)
- 定期的に資産配分を見直す(リバランス)
けんた「なるほど。怖がってるだけじゃダメなんだね。少額からでも始めてみるのが大事なんだ。」
Q4. 不動産投資ってアリ?
けんた「建築の仕事してるから、不動産投資にも興味あるんだ。でも何千万もいきなり投資できないし、どうすればいいかな?」
さやか「そんなけんたにピッタリなのが、不動産投資信託(REIT)やクラウドファンディングタイプの不動産投資だよ。少額から始められて、実物不動産より手軽なんだ。」
RF「おっしゃる通り!不動産投資にもいくつかの方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。」
不動産投資の種類と特徴
1. 実物不動産投資
- 概要:アパート・マンション・戸建てなどを購入して賃貸する
- 必要資金:頭金300万円~(融資活用可)
- 想定利回り:4~8%程度(物件による)
- メリット:
- 安定した家賃収入が得られる
- レバレッジ効果で少ない自己資金で大きな資産運用可能
- 減価償却費で節税効果が大きい
- デメリット:
- 空室リスク・家賃滞納リスクあり
- 物件管理の手間がかかる
- 流動性が低い(すぐに現金化できない)
2. REIT(不動産投資信託)
- 概要:証券取引所に上場している不動産ファンド
- 必要資金:1口1,000円程度から可能
- 想定利回り:3~5%程度
- メリット:
- 少額から投資可能
- 高い流動性(株式と同様に売買可能)
- プロによる物件管理
- 分配金は毎月または隔月で受け取れる場合が多い
- デメリット:
- 株式市場の影響を受ける価格変動
- 個別物件を選べない
3. 不動産クラウドファンディング
- 概要:複数の投資家から資金を集めて不動産事業に投資
- 必要資金:1万円~10万円から
- 想定利回り:3~7%程度
- メリット:
- 少額から始められる
- 短期間(数ヶ月~数年)で完結
- 特定の物件を選んで投資できる
- デメリット:
- 途中解約が基本的にできない
- 事業者の信頼性確認が必要
不動産投資のケーススタディ
東京都内ワンルームマンション投資の例
- 物件価格:2,500万円
- 自己資金:500万円(借入2,000万円)
- 月家賃収入:9万円
- 諸経費(管理費、修繕費、保険料等):2万円/月
- 住宅ローン返済:7万円/月
- 月々キャッシュフロー:0万円
- 年間キャッシュフロー:0万円
- 表面利回り:4.32%
- 実質利回り:3.36%
REIT投資の例
- 投資金額:100万円
- 年間分配金:4万円
- 利回り:4.0%
- 投資先:複数の商業施設・オフィスビル
RF「不動産投資は、株式投資と比べて値動きが穏やかで、インカムゲイン(家賃収入)が安定している点が魅力です。実物不動産は資金的・時間的コストが高いので、初めての方はREITから体験するのがおすすめです。」
けんた「REITなら証券口座で買えるんだよね?積立NISAでも買えるの?」
RF「はい、REITは証券口座で株式と同じように購入できます。積立NISAの対象商品にはREITを組み入れた投資信託もありますので、それを選ぶという方法もあります。」
資産形成習慣化のための具体的ステップ
RF「さて、これまでの話をふまえて、資産形成を始めるための具体的なステップをご紹介します。」
ステップ1:現状把握と目標設定(所要時間:2時間)
- 毎月の収入と支出を書き出す
- 3~6ヶ月分の生活費を計算し、安全資金の目標額を決める
- 5年後、10年後、20年後の資金目標を設定する
- 例:35歳で住宅頭金300万円、45歳で子どもの教育資金500万円、65歳で老後資金2,000万円
ステップ2:金融機関の口座開設(所要時間:30分+審査待ち約2週間)
- 必要書類:マイナンバーカード、運転免許証などの本人確認書類
- おすすめネット証券:SBI証券、楽天証券、マネックス証券など
- 申込方法:各証券会社のWebサイトから申し込み
- NISA口座も同時に申し込むのがおすすめ
ステップ3:投資先の選定と設定(所要時間:1時間)
- 初心者向け商品:インデックス型投資信託
- おすすめ配分(リスク許容度による):
- 安全志向:全世界株式60%、債券40%
- バランス型:全世界株式80%、日本株式10%、債券10%
- 成長志向:全世界株式70%、米国株式30%
- 積立設定:給料日の翌日に自動引き落とし設定
ステップ4:定期的な見直し(3ヶ月~6ヶ月に1回)
- 資産配分のリバランス
- 投資パフォーマンスの確認
- 生活状況の変化に応じた調整
RF「最も重要なのは『着実に始めること』と『継続すること』です。100点を目指すより、まずは及第点で始めて徐々に改善していきましょう。」
資産形成シミュレーション
月々3万円を年利5%で運用した場合の資産額推移:
- 5年後:約202万円(投資額180万円+運用益約22万円)
- 10年後:約458万円(投資額360万円+運用益約98万円)
- 20年後:約1,232万円(投資額720万円+運用益約512万円)
- 30年後:約2,656万円(投資額1,080万円+運用益約1,576万円)
さやか「この表を見ると、短期では大した差がないけど、20年30年と長期になるほど複利効果がすごいことがわかるよね。早く始めるほど有利なんだ!」
けんた「なるほど!30年後に2,600万円か…。毎月3万円なら俺でも無理なく続けられそうだな。」

まとめ:今日から始める第一歩
将来の安心は「収入を増やす」だけでなく、「お金にも働いてもらう」ことで実現します。今回学んだポイントを整理しましょう。
今回のポイント(✓で確認しましょう)
- 貯金だけでは資産価値が目減りするリスクあり(年率2%のインフレで20年後に67%の価値に)
- 資金は「安全資金」「成長資金」「楽しみ資金」の3つに分ける
- 積立NISA=日常資産形成/iDeCo=老後資金形成の2本立てがベスト
- 投資信託は少額(100円~)から始められ、プロにお任せで初心者向き
- 長期・積立・分散が投資の基本3原則
- 不動産投資もREITなら少額から始められる
- 投資リスクは「長期保有」と「積立投資」で軽減できる
今日からできる行動ステップ
- 口座開設の申し込み(所要時間30分)
- SBI証券、楽天証券などのネット証券
- NISA口座の申し込みも忘れずに
- 月々の投資金額を決める
- 収入の10%が目安(月収30万円なら3万円)
- 無理のない金額から始める(月3,000円でもOK)
- 投資先を選ぶ
- 初心者なら:eMAXIS Slim 全世界株式、eMAXIS Slim 米国株式
- 自動積立設定で「ほったらかし投資」を実現
RF「資産形成は難しくありません。今日学んだことを実践して、けんたさん、さやかさんのように、まずは少額から始めてみましょう。お金の不安から解放されて、本当にやりたいことに集中できる人生を手に入れましょう!」
けんた「よーし、今日帰ったら早速口座開設の申し込みしてみるよ!」
さやか「その調子!何か分からないことがあったら、また相談してね!
次に読むべきステップ記事リンク
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- iDeCoとは?節税しながら貯める仕組み
- 投資信託とは?初心者向けに選び方とメリット・デメリットをわかりやすく解説!
- 【2025年版】NISAとiDeCoの違いを徹底解説!初心者でもわかる選び方ガイド
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※本記事は投資の教育を目的としており、特定の金融商品の推奨や投資アドバイスではありません。投資には元本割れリスクがあります。投資を行う際は、自己責任でお願いいたします。
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