建築士が教える家のメンテナンス術|コスパよく家を長持ちさせる5つの習慣

はじめに

マイホームは人生で一番高い買い物。でも、買ったあとの手入れをサボると、価値はどんどん下がってしまいます。

「高いお金を払ったのに、10年後にはボロボロ…」そんな未来を防ぐために大切なのが、「正しいメンテナンス」です!

建築士として現場で数多くの住宅を見てきた中で感じたのは、”手をかけている家は、いつまでも美しい“ということ。

今回は、コスパよく家を長持ちさせるためのメンテナンス術をお伝えします。あなたの大切な住まいを守る習慣を身につけませんか?

家はなぜ劣化する?

  • 外壁や屋根は紫外線や雨風で確実に傷みます
  • 「人が住んでる」だけでも、床・壁・設備は日々劣化しています
  • 放置するほど修繕費は高くなる=早めの手当てが節約につながります!

住宅は「生きもの」のように常に変化しています。新築のピカピカの状態が永遠に続くわけではなく、日々少しずつ劣化していくものです。特に日本の気候は湿度が高く、四季の変化も激しいため、家への負担は想像以上です。早期発見・早期対応が家計と住まいを守る鍵となります。

建築士おすすめ!コスパ最強メンテナンス5選

① 月1回の”目視チェック”を習慣にする

→ 雨どいのつまり、外壁のヒビ、小さな床の浮きなどをチェック

  • ポイント: 季節の変わり目(3・6・9・12月)は特に入念に!
  • 目安時間: 家の周りを一周するだけでも15分あれば十分です
  • 必要費用: 0円(スマホのカメラを活用するだけ)

② 3ヶ月に1回のフィルター掃除でエアコン効率UP

→ 電気代節約+機械の寿命UP

  • 節約効果: フィルター清掃だけで電気代が約10%削減できることも!
  • 必要なもの: 掃除機、フィルター用ブラシ(100〜300円程度)
  • 年間節約額: 平均的な世帯で約5,000〜10,000円

③ 年1回は外壁と屋根をチェック

→ 小さなクラックや塗装の劣化を早期発見!

  • 無料点検サービス: 地元の工務店や保険会社の無料点検を活用(0円)
  • 有料点検: 専門業者依頼の場合(10,000〜20,000円程度)
  • チェックポイント: 北側は特に劣化が進みやすいので要注意!

④ 水まわりのゴムパッキン確認

→ 放置するとカビ→水漏れ→大惨事に発展することも

  • チェック頻度: 2〜3ヶ月に1回程度が理想的
  • 簡単ケア: カビ取りスプレー(300〜500円)と古歯ブラシで簡単にケアできます
  • 交換費用: 自分でできる場合(500〜2,000円)、業者依頼(5,000〜10,000円)

⑤ メンテナンスカレンダーをつくる

→ 外壁塗装・防蟻処理・給湯器交換など「高額系」はあらかじめ備える

  • 毎月の積立: 月々5,000円の積立でも10年で60万円に!
  • 家計簿への組み込み: 「住まい維持費」として計上しておくと安心

メンテナンスカレンダー例

項目頻度費用目安予定時期
外壁塗装10年ごと約80万円2030年春
屋根塗装10年ごと約50万円2030年春
防蟻処理5〜10年ごと約10万円2025年夏
給湯器交換10〜15年ごと約20万円2028年冬
キッチン設備15〜20年ごと約80万円2035年
浴室設備15〜20年ごと約100万円2035年

より詳しいメンテナンス時期と費用については、[【保存版】家の修繕費はいつ?いくら?カレンダー付きで解説]の記事もぜひご参考にしてください。

メンテナンスで資産価値を守る

  • 家の見た目や状態は、査定額・売却時価格に大きく影響します
  • 「ちゃんと手入れされてきた家」は不動産市場でも高評価!
  • 将来の「貸す」「売る」選択肢を残しておく=家計の安心につながります

不動産査定において、同じ築年数・間取りでも、メンテナンス状態によって査定額に20%以上の差がつくことも珍しくありません。特に水回りの状態や外壁の見た目は、プロの目にすぐ止まるポイントです。

例えば、築15年の一般的な戸建て住宅では:

  • きちんとメンテナンスされた家:2,800万円
  • メンテナンス不足の家:2,200万円 という差が生じることもあります。つまり、日々のちょっとした手入れが600万円もの価値につながる可能性があるのです!

費用を抑えるコツ

  • 火災保険・地震保険の「無料点検サービス」をフル活用しましょう
  • DIYでできる範囲とプロに任せる範囲を明確に分けることが大切です
  • ハウスメーカーの「定期点検」は全部受けなくてもOK?

無料点検サービスの活用術

多くの保険会社では、加入者向けに住宅の無料点検サービスを提供しています。これは単なるサービスではなく、保険会社にとっても「大きな被害を未然に防ぐ」ためのものです。年に1回は必ず利用しましょう!

DIYとプロの使い分け

  • DIYで対応できるもの:フィルター清掃、シンプルなコーキング補修、金具の増し締め
  • プロに依頼すべきもの:高所作業、電気・ガス・水道の配管関係、構造に関わること

初心者でも簡単にできるDIYメンテナンスについては、[【初心者OK】家のDIYメンテナンスで資産価値を守る方法]の記事で詳しく解説しています。基本的な道具と知識があれば、年間数万円の節約になることも!

ハウスメーカーの定期点検について

ハウスメーカーが提案する定期点検プランは必ずしもすべて受ける必要はありません。[【建築士の本音】ハウスメーカーの定期点検、全部受けるべき?]では詳しく解説していますが、「基本点検」は受けつつ、追加のオプションサービスは内容をよく吟味したほうが良いでしょう。中には割高なメンテナンスプランもあるので、地元の工務店などと比較検討することをおすすめします。

Q&A:メンテナンスの疑問

Q. 点検って素人でもできる?

A. できます!とくに「見た目の変化」に気づくのが大切です。写真を撮って残しておくのも効果的ですよ。スマホで定点観測写真を残しておけば、微妙な変化も見つけやすくなります。

Q. プロに頼むと高くない?

A. 小規模な補修なら2万円以内で収まることも多いです。放置して後で30万円かかるよりは断然おトク!例えば、外壁の部分補修は5,000〜20,000円程度ですが、放置して広範囲になると10倍以上のコストになることも珍しくありません。

Q. メンテナンス記録はどう残せばいい?

A. スマホのメモアプリや専用の住宅管理アプリを活用するのがおすすめです。日付・内容・費用・施工業者などを記録しておくと、将来の売却時にも役立ちます。写真も一緒に保存しておくとベストです!

実体験:放置が招いた高額修繕

  • 築15年で屋根の防水処理を放置→雨漏り→60万円の修繕費用に
  • 「定期チェックしていれば10万円以下で済んだ」と建築士として痛感
  • それ以来、家計簿に「住宅の点検費」も入れるようになりました

なぜ放置してしまったのか

私の実家では「まだ新しいから大丈夫」という思い込みがありました。また、「屋根の上なんて確認できない」という諦めもあったのです。築10年の時点で業者から「防水シートの劣化が始まっています」と言われていたにもかかわらず、「すぐに直さなくても大丈夫だろう」と先送りにしてしまいました。

その後の対策

この経験から、我が家では以下の対策を実施しています:

  1. 年に一度は必ず屋根裏と小屋裏に入って目視確認する
  2. 家計簿の固定費に「住宅メンテナンス費」を設定(月3,000円)
  3. スマホのカレンダーに定期点検日を設定
  4. 点検と修繕の記録をデータ化して保存

この方法を導入してからは、小さな問題を早期に発見できるようになり、大きな修繕費用は一度も発生していません。

あなたのメンテナンス体験を教えてください!

皆さんのお家のメンテナンス成功例や失敗談を募集しています!コメント欄やSNSで「#家メンテナンス」のハッシュタグをつけて投稿いただけると嬉しいです。次回の記事で紹介させていただくかもしれません。

特に知りたいこと:

  • 初心者でも簡単にできたDIYメンテナンス
  • おすすめのメンテナンスグッズ
  • メンテナンスを習慣化するためのコツ

まとめ

家のメンテナンスは「出費」ではなく、**将来の大きな修繕費を減らすための”賢い投資”**です!

こまめな手入れで、10年後・20年後も価値のある家を維持できれば、暮らしの質も、将来の選択肢もぐっと広がります。

「今できること」から始めて、あなたの家を”家計の味方”として守っていきましょう!具体的な第一歩として、まずは月1回の目視チェックから始めてみませんか?

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