
はじめに
「奨学金って、借りればどうにかなるでしょ」 「うちは大学費用が全部出せるわけじゃないし…」
そんな風に”なんとなく”で使ってしまうと、将来子どもが借金で苦しむリスクも…。
奨学金は進学のチャンスを広げてくれる一方で、実質的には”教育ローン”。 親子でしっかり理解せずに使うと、社会人になってから大きな壁になる可能性もあります。
この記事では、多くの家庭が見落としがちな奨学金の落とし穴を解説しつつ、上手な活用法と対策をリアルな視点でお伝えします。
1. 奨学金=「借金」であるという現実
- 日本の奨学金の約9割が”貸与型(返済義務あり)”
- 第一種奨学金(無利子):成績基準・家計基準あり
- 第二種奨学金(有利子):第一種より基準緩和、金利0.3~3%程度
- 平均借入額は300万円以上(大学4年間)
- 毎月の返済額は約15,000円~20,000円×15年以上
👉 社会人1年目から住宅ローン並みの返済が始まる人も!
2. よくある”落とし穴”とそのリスク
❌ 落とし穴①:親が内容をよく知らずにサインしてしまう → 保証人(連帯保証人)になっていて、子どもが返済できないと親に請求が来ることも。実際に返済困難者の増加により、親世代への請求ケースも増加中。
❌ 落とし穴②:第二種奨学金(有利子)の金利を軽視する → 「金利0.3~0.5%程度だから大丈夫」と思いがちだが、 長期返済になると総支払額が数十万円増えることも。金利は変動する可能性もあり注意が必要。
❌ 落とし穴③:進学後に退学・転部すると返済義務だけ残る → 進学したもののミスマッチで辞めるケースも少なくない。 学び直しよりも「返済」の方が残るという事態に。
❌ 落とし穴④:将来のライフプランを圧迫する → 結婚・住宅購入・子育てなど、人生の大きな選択をする時に「奨学金返済中」が足かせになる。
【体験談】 「奨学金返済があるため、30代前半ですが住宅ローンの審査に通りませんでした。もっと計画的に借りていれば…」(32歳・女性)
「毎月の返済が2万円。ボーナスが出ない職場なので、生活費とのバランスが本当に大変です」(25歳・男性)
3. じゃあ奨学金って使わない方がいいの?
そんなことはありません! 奨学金は正しく使えば有効な選択肢です。
大事なのは以下の3つ:
✓ 目的を持って借りる(学費 or 生活費?)
- 学費のみに限定する
- 生活費は可能な限りアルバイトや家族からの支援で賄う
✓ 借入額・返済シミュレーションを家族で共有
- 卒業時の総借入額を計算
- 初任給の何割が返済に消えるか確認
✓ 他の制度も比較する
- 給付型奨学金(JASSO、地方自治体、大学独自など)
- 授業料免除・減免制度
- 親が借りる教育ローン(金利比較も重要)
4. 親としてできる対策・準備
✔ 教育資金の”最低ライン”を準備しておく
- 児童手当やボーナスを活用して”大学入学費用”だけでも準備
- 「全額払えない=ダメ」ではなく、「一部出せる」が大きな安心に
✔ 奨学金以外の選択肢も検討する
- 給付型奨学金:コロナ禍以降、高等教育修学支援新制度により拡充
- 学費免除・減免制度:成績優秀者向け、家計急変対応など多様化
- 教育ローン:親が借りて子に返済不要とするケースも(日本政策金融公庫や民間銀行の比較が重要)
- 学生のアルバイト:学業に支障のない範囲で計画的に
✔ 子どもと”借金”としての認識を共有
- 社会人になる前に「返済の現実」を知ることが将来の助けに
- 奨学金の返済で困った社会人の体験談なども一緒に読んでみるのもおすすめ
✔ 返済困難時の救済制度も知っておく
- 返還期限猶予制度:一時的に返済を猶予
- 減額返還制度:収入に応じて返済額を減額
- 所得連動返還型奨学金:収入に連動して返済額が変動
5. 筆者のリアル視点|教育費は「借りる」より「話す」ことが第一歩
ぼく自身、教育資金の準備を真剣に考える中で、 「奨学金をどう使うか」は家庭での大事な”お金の会話”だと実感しています。
親も子も、完璧じゃなくていい。 でも、「知らなかった」「聞いてなかった」は一番もったいない。
👉 教育費と同時に、「お金の知識」も一緒に育てていくことが大切だと感じています。
まとめ|奨学金=教育の味方。でも、知識なしはリスク大!
- 奨学金は「借金」。使い方次第で人生を支える武器にも、重荷にもなる
- 親も子も、借りる前にしっかり話し合おう
- 教育費の準備は”金額”より”姿勢と情報”が大切!
- 社会情勢(コロナ禍など)で制度は変化するので、最新情報の確認を忘れずに
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