登場人物紹介
- RF(運営者):建築士×資産形成ナビゲーター。家とお金の両面からサポート!
- けんた(32歳・建築設計士):筋トレとサウナが趣味。設計は得意だが、資産形成・住宅ローンは初心者。独立志望。
- さやか(27歳・ファイナンシャルプランナー):カフェ巡りと資産運用が趣味。暮らしとお金を大切にする堅実女子。既婚者。
【結論】
住宅ローンは人生最大級の借り入れ。正しい知識と準備があれば、不安を軽減しながら理想のマイホームを手に入れることができます。
一緒に学ぼう!住宅ローンの基本をけんた&さやかと進めよう
Q1. 住宅ローンって何から考えればいい?
けんた「住宅ローンって、結局どこから手をつければいいの?」
さやか「まずは借入額とか金利のタイプとかじゃない?」
けんた「うーん…なんか金利って聞いただけで難しそうでつい後回しにしちゃうんだよなあ。」
RF「大丈夫です!まずは住宅ローンの全体構造を押さえましょう。」

住宅ローンの基本構造
- 借入額:物件価格+諸費用(最大110〜120%まで)
- 返済期間:最長35年(一般的には20〜30年)
- 金利タイプ:変動/固定/固定期間選択型
- 返済方式:元利均等 or 元金均等
- 団体信用生命保険:加入必須(保障内容は金融機関で異なる)
用語解説:団体信用生命保険(団信)とは?
住宅ローンの返済中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合、保険金によってローン残高が全額返済される仕組みです。基本的な保障のほか、がんや三大疾病など保障範囲が広がった商品もあります。
Q2. 金利の違いってどう選べば?
さやか「私は固定金利が安心かなって思ってたけど、変動のほうが得だって聞いたことある!」
けんた「いやいや、変動って将来金利上がったらヤバいんじゃ…?」
RF「実はどちらも一長一短。しっかり比較して自分のスタイルに合ったものを選びましょう。」
金利タイプ比較表
金利タイプ | メリット | デメリット | 適した人 |
---|---|---|---|
変動金利型 | ・初期金利が低い(例:0.4%)<br>・金利が下がれば恩恵を受けられる | ・半年ごとに金利見直し<br>・金利上昇リスクあり<br>・返済額は5年間据え置き | ・金利上昇リスクを許容できる人<br>・短期間での返済を予定している人 |
固定金利型 | ・借入時の金利が返済終了まで一定<br>・将来の返済額が確定しており安心 | ・金利は高め(例:1.0%)<br>・金利が下がっても恩恵なし | ・安定志向の人<br>・家計管理を重視する人<br>・長期の住宅ローンを組む人 |
固定期間選択型 | ・一定期間は固定金利の安心感<br>・期間後に再選択可能 | ・選択時の手続きが必要<br>・固定期間後の金利変動リスク | ・中期的な視野で計画する人<br>・ライフステージの変化を予測できる人 |
金利上昇シミュレーション
変動金利(現在0.4%)で3,000万円を35年ローンで借りた場合、金利が1%上昇すると月々の返済額は約7,000円増、総返済額は約300万円増加します。

Q3. 返済方法の違いって何?
けんた「元利均等と元金均等って何が違うんだっけ?」
さやか「たしか元利均等は返済がずっと同じ金額で、元金均等は最初が高くて後がラクだったような…?」
RF「そのとおり!それぞれの返済パターンには向き不向きがあります。具体的な数字で比較してみましょう。」
返済方式比較
返済方式 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
元利均等返済 | ・毎月の返済額が一定<br>・初期は利息の割合が多い | ・家計管理がしやすい<br>・初期の返済負担が少ない | ・総支払額は多くなる |
元金均等返済 | ・毎月の元金返済額が一定<br>・利息が徐々に減少 | ・総支払額が少ない<br>・ローン残高の減りが早い | ・初期の返済負担が大きい |
具体例:3,000万円・金利1%・35年の場合
- 元利均等:毎月約87,000円
- 元金均等:初月107,000円→最終月72,000円、総返済額は元利均等より約155万円少ない
繰り上げ返済効果の具体例
3,000万円(金利1%・35年)の住宅ローンで、5年目に100万円の繰り上げ返済をした場合:
・返済期間短縮型:約1年4ヶ月の短縮、約37万円の利息削減
・返済額軽減型:毎月の返済額が約3,000円減少
Q4. 自分に合った住宅ローンを選ぶには?
さやか「私は将来の教育費とかも気になるから、返済計画しっかり考えたいな。」
けんた「俺は今は自由に使えるお金を確保したいから月々の支払いを抑えたいかも…」
RF「お二人とも正解です。住宅ローンはライフプランに合わせて戦略的に選ぶもの。次の3ステップで考えてみましょう。」
住宅ローン選びの3ステップ
- 家計状況を整理(収支バランス・頭金)
- 将来設計と照らし合わせる(教育費・老後など)
- 自分に合う金利タイプを選ぶ(リスク許容度・返済負担率35%以内)
用語解説:返済負担率とは?
年収に対する年間の住宅ローン返済額の割合のこと。一般的に35%以内が望ましいとされています。
例:年収500万円の場合、月々の返済額は約14.6万円(年間175万円)が目安となります。
ケーススタディ:年収別借入可能額の目安
年収 | 借入可能額の目安 | 月々の返済目安 |
---|---|---|
400万円 | 約1,400万円〜2,000万円 | 約4万円〜5.8万円 |
600万円 | 約2,100万円〜3,000万円 | 約6万円〜8.8万円 |
800万円 | 約2,800万円〜4,000万円 | 約8万円〜11.6万円 |
1,000万円 | 約3,500万円〜5,000万円 | 約10万円〜14.6万円 |
※金利1%、35年返済、返済負担率35%以内の場合
RFからのアドバイス!
- 金利比較は絶対にする! 変動金利は0.39〜0.45%(2025年5月時点)。数社を比較しよう。 ※金利は市場環境で変動します。現在は緩やかな上昇傾向にあります。
- 諸費用も忘れずに! 借入額の約2.2%が初期費用として必要(保証料・登記費用など) 例:3,000万円借入の場合、約66万円の諸費用が必要
- 繰り上げ返済も活用! ネットバンキングなら手数料無料のケース多数。総返済額の軽減に。
- 保険内容をチェック! 団信の保障内容や3大疾病・全疾病保障の付帯有無も比較ポイント。
- 住宅ローン控除(減税)を活用! 年末ローン残高の0.7%を最大13年間控除。年収・物件種別により控除上限あり。
- フラット35も検討を! 民間住宅ローンと異なる特徴を持つ公的住宅ローン。長期固定金利が魅力。
よくある質問Q&A
Q: 住宅ローンの頭金はいくら必要?
A: 物件価格の2割(20%)程度が理想的です。頭金が多いほど借入額が減り、総返済額も少なくなります。ただし、手元資金をすべて頭金に回すのではなく、引越し費用や家具購入費、緊急時の備えとして最低でも100万円程度は残しておくことをおすすめします。
Q: 共働き夫婦の場合、どちらが住宅ローンを組むべき?
A: 収入が安定している方、または収入が高い方がメインで組むのが一般的です。ただし、「連帯債務」や「ペアローン」という方法で二人で分担して組むこともできます。それぞれメリット・デメリットがあるので、ライフプランに合わせて検討しましょう。
Q: 住宅ローンを組む前に、クレジットカードの支払いを完済すべき?
A: 必ずしも完済する必要はありませんが、カードローンなどの借入れは住宅ローン審査に影響します。特に返済負担率(年収に対する返済額の割合)が重要なので、可能であれば他の借入れは減らしておくことをおすすめします。
Q: 住宅ローン控除は確定申告が必要?
A: 初年度は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で行うことができます。必要書類や手続きについては税務署やファイナンシャルプランナーに相談するとよいでしょう。
住宅ローン比較チェックシート
あなたの住宅ローン選びをサポートする比較表です。印刷して金融機関訪問時にメモを取りましょう!
比較項目 | A銀行 | B銀行 | ネット銀行 |
---|---|---|---|
金利タイプと金利 | |||
借入可能額 | |||
諸費用(事務手数料等) | |||
団信の保障内容 | |||
繰上返済手数料 | |||
保証料 | |||
審査のポイント |
あなたの「住宅ローン準備度」チェック!
以下の項目にチェックを入れて、あなたの住宅ローン準備状況を確認しましょう。
□ 年収の5倍以内の借入額を検討している
□ 返済負担率は35%以内に収まっている
□ 最低3ヶ月分の生活費を非常時の備えとして確保できる
□ 他の借入れは返済予定を立てている
□ 将来の収入変化(独立・育休など)を考慮している
□ 物件価格の20%程度の頭金を貯めている
□ 住宅ローン以外の初期費用(諸費用・引越し代・家具など)を計算している
7つ中5つ以上:しっかり準備ができています!
4つ:もう少し準備を整えましょう
3つ以下:住宅購入を急がず、まずは資金計画から始めましょう
住宅ローン申し込み前にやるべき3つのこと
- 複数の金融機関で事前審査を受ける(同時に申し込んでもOK)
- 本審査に必要な書類を準備する(源泉徴収票、住民票、物件資料など)
- 物件購入後の家計シミュレーションを作成する(エクセルなどで作成)
記事の要点(箇条書き)
- 住宅ローンの基本構造と金利・返済方式を理解する
- 家計と将来設計をふまえて選ぶ
- 諸費用や控除制度なども視野に入れる
まとめ
住宅ローンは長期にわたる大きな決断。正しい知識をもって計画すれば、不安を減らして安心の暮らしが手に入ります。
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