登場人物紹介
- RF(運営者):建築士×資産形成ナビゲーター。家とお金の両面からサポート!
- けんた(32歳・建築設計士):筋トレとサウナが趣味。設計は得意だが、資産形成・住宅購入は初心者。独立志望。
- さやか(27歳・ファイナンシャルプランナー):カフェ巡りと資産運用が趣味。暮らしとお金を大切にする堅実女子。既婚者。
【結論】
リノベ済み中古物件は「コスパ良く理想の暮らしを叶えたい人」におすすめ。ただし、見た目だけでなく構造や保証もチェックして選ぶことが大切!失敗事例の多くは「見た目」だけで判断したケースです。
一緒に進めよう!けんた&さやかの物件選び相談

Q1. リノベ済み中古物件って、どうなの?
けんた「新築って高いし、中古を買ってリノベってアリかな?って思ってたけど…最近は”リノベ済み物件”も増えてるよね?僕としては構造躯体の状態さえ良ければ、内装や間取りは設計士の視点で評価できるから、リノベ物件はコスパいいと思うんだよね」
さやか「うちも予算的に中古を視野に入れてるけど、ちゃんと安心して住めるかは気になるわ…特に将来の資産価値を考えると、修繕積立金の設定や管理状態もしっかり見ておきたいわね」
RF「2人ともいい視点だね!リノベ済み物件はコスパもよく人気。実際に同エリアの新築マンションと比べると20〜30%安く購入できるケースが多いよ。ただし”リノベの内容”と”建物の構造・管理状態”の確認がポイントだね。」
Q2. リノベ済みって何を指すの?具体的な費用は?
けんた「”フルリノベ”って聞くけど、何がどこまで変わってるの?費用の相場も知りたいな。実は現場で見るリノベーションって、表層だけ変えて構造補強を怠っているケースもあるから、どこまで手を入れたのか確認したいんだよね」
さやか「キッチンとか床が新しくなるだけじゃないの?予算計画を立てる上で、どのレベルのリノベーションならどれくらいの費用対効果があるか知りたいわ」
RF「リノベーションのレベルは大きく3つに分かれるよ:
- 表層リフォーム:内装や設備の見た目だけ変更(約15〜25万円/坪)
- 部分リノベーション:水回りと内装の更新(約30〜45万円/坪)
- フルリノベーション:間取り変更、配管・電気配線の更新含む(約50〜80万円/坪)
リノベ済み物件には”見た目だけ”のケースもあるから注意して!以下を確認してね。」
✅ チェック項目
- 水回り(キッチン・バス・トイレ・配管)の更新有無
- 壁や床材などの内装材の張替え状況
- 給排水・電気・ガスなどのインフラ更新状況
- 耐震補強・断熱性能向上の有無
- リノベーション工事の詳細見積書と施工写真の有無
- 隠蔽部分(壁や床下)の工事内容
Q3. 建物自体の状態も確認した方がいい?
さやか「内装がキレイならOKってわけじゃないよね?長期的な資金計画を考えると、5年後、10年後の大規模修繕のタイミングや積立金の状況も確認しておきたいわ」
けんた「構造体とかマンションの共用部ってチェックできる?特に僕が気になるのは、1981年以前の旧耐震基準の物件がリノベされている場合、耐震補強がきちんとされているかどうかなんだ。柱や梁の劣化状況、クラックの有無も見ておきたいね」
RF「そう、ここが重要!失敗事例の多くは建物自体の問題を見落としたケースなんだ。特に築30年以上の物件では構造躯体のチェックが不可欠だよ。」
✅ 建物チェックポイント
- 築年数と耐震基準
- 旧耐震(1981年5月以前): 耐震診断・補強の有無を必ず確認
- 新耐震(1981年6月以降): 基本的な耐震性は確保されているが築年数に応じた劣化チェックを
- 構造体の種類と劣化状況
- RC造(鉄筋コンクリート): ひび割れ、鉄筋の露出、中性化進行度
- S造(鉄骨): 錆の発生状況、接合部の健全性
- 木造: シロアリ被害、腐朽、筋交いの状態
- マンションの場合:
- 管理状況(管理会社の対応力、理事会の活動状況)
- 修繕積立金の額(月々の目安:築10年で3,000円/坪以上、築20年で5,000円/坪以上)
- 大規模修繕の履歴と今後の計画(築12〜15年ごとに実施されているか)
- アフターサービスや保証の有無(インスペクション済か)
- 既存住宅かし保険の加入有無(最長5年間の保証)
- 第三者機関による**インスペクション(建物状況調査)**報告書の有無

Q4. 失敗しないための物件見学のポイントは?
けんた「実際に物件を見るときのチェックポイントを教えてほしい。私なら天井高や採光、空間の連続性といった設計的な要素も見るけど、素人目線で見落としがちなポイントって何かな?」
さやか「売主や不動産会社にどんな質問をすればいいの?特に将来のキャッシュフローに影響する管理費や修繕積立金の推移、ローン減税の適用条件なども確認しておきたいわ」
RF「物件見学時には以下のチェックリストを持参するといいよ。質問はハッキリと遠慮なくしていこう!」
📋 物件見学チェックリスト
【リノベーション内容について】
- □ リノベーション工事の実施時期と施工会社名
- □ リノベーション範囲の詳細(図面や写真で確認)
- □ 使用材料のグレードと耐用年数
- □ 隠蔽部分(壁内・床下)の工事内容
- □ 追加工事の可能性がある箇所
【建物状態について】
- □ 雨漏りの形跡(天井のシミ、壁の膨らみ)
- □ カビやにおいの有無(特に押入れ・クローゼット内)
- □ 給排水管の状態(水圧、排水速度)
- □ 外壁や共用部の劣化状況
- □ 騒音・振動の状況(可能なら平日・休日の異なる時間帯に訪問)
【立地・周辺環境】
- □ 日当たり(可能なら午前・午後の状況)
- □ 周辺施設の充実度(徒歩圏内のスーパー、病院等)
- □ 交通アクセス(徒歩時間、バス便数など)
- □ 周辺の開発計画(今後の環境変化予測)
- □ 災害リスク(ハザードマップの確認)
Q5. 地域による違いはあるの?
けんた「都心と郊外では何か違いがあるのかな?都心部の古い物件だと設備配管スペースが狭くて、キッチンやバスのグレードアップに制限があることもあるんだよね。逆に郊外だと間取り変更の自由度は高いけど…」
さやか「雪国だとまた違う注意点があるのかしら?私が見る限り、地域によって資産価値の維持率も全然違うわよね。特に駅からの距離の価値が都心と郊外では大きく異なるし、投資的観点だと無視できないわ」
RF「地域特性でチェックポイントが変わってくるね!」
🏙️ 都市部のリノベ物件
- 重視すべき点: 遮音性、耐震性、防犯性
- 注意点: 高経年マンションでも立地の良さで資産価値が保たれるケースが多い
- 調査すべき事項: 再開発計画、住環境の変化予測
🏡 郊外のリノベ物件
- 重視すべき点: 広さ、駐車場、庭などのゆとり
- 注意点: 将来的な公共交通機関の減便可能性
- 調査すべき事項: 周辺の高齢化率、学区の評判
❄️ 雪国・寒冷地の物件
- 重視すべき点: 断熱性能(UA値0.6以下が理想)、融雪設備
- 注意点: 屋根の耐雪荷重、雪下ろしの必要性
- 調査すべき事項: 冬季の光熱費実績、雪処理のコスト
RFのアドバイス
「安さ」だけで選ばない!
- リノベ済み=安心とは限らない
- “表層リフォームだけ”の物件もあるので注意
- 失敗事例: 内装はピカピカなのに5年後に配管から水漏れが発生し、壁を解体修理で追加100万円かかったケースも…
資産価値も見ておこう
- 駅距離・立地・築年数で将来の売却価格が変わる
- 管理の良いマンションなら資産価値が安定しやすい
- データ: 駅徒歩10分以内、築20年以内の物件は平均で10年後も購入価格の85%程度の価値を維持するケースが多い
購入前に専門家チェックを!
- ホームインスペクション(建物状況調査)の実施をおすすめ(費用目安:戸建て8〜12万円、マンション3〜5万円)
- 瑕疵保険の対象になるかも要確認(保険料目安:5年間で15〜25万円)
- メリット: 隠れた欠陥を事前に発見でき、将来の大きな出費を防げる
✨ あなたの優先順位チェック
以下の項目に1〜5点で点数をつけて、あなたの住まい選びの優先度を明確にしましょう。
けんた「僕は設計士の視点から、空間の使い勝手や構造的な健全性を特に見ているよ。デザインも大事だけど、住み心地を左右する天井高や採光、通風なども見逃せないポイントだね」
さやか「私はFPとして、物件の資産価値と家計への影響を重視しているわ。特に共働き世帯なら、立地の利便性と将来の売却可能性のバランスが重要よ。長期的な視点で選ぶことをお勧めします」
- [ ] 立地の利便性
- [ ] 物件の広さ
- [ ] デザイン性・内装の質
- [ ] 将来の資産価値
- [ ] 建物の健全性・耐久性
- [ ] 管理状態・管理費の妥当性
- [ ] 省エネ性・光熱費の低さ
- [ ] リノベーションの自由度
- [ ] 周辺環境・コミュニティ
- [ ] アフターサービス・保証内容
合計点が高い項目を優先して物件選びをすると、後悔のない選択ができますよ!
購入後のメンテナンス計画
リノベ済み物件を購入した後も、計画的なメンテナンスが必要です:
経過年数 | チェック項目 | 概算費用 |
---|---|---|
購入直後 | 隠れた不具合の最終確認 | 0〜10万円 |
5年目 | 設備機器のメンテナンス | 10〜20万円 |
10年目 | 内装の部分更新、設備点検 | 50〜100万円 |
15年目 | 水回り更新検討、外装点検 | 100〜300万円 |
記事の要点
- リノベ済み物件はコスパ良好だが、”中身”の確認が不可欠
- 設備や配管などインフラの更新履歴をチェック
- 建物自体の劣化・管理状態も大きな判断材料
- ホームインスペクションや保証制度の有無を確認する
- 地域特性に合わせたチェックポイントを押さえる
- 購入後のメンテナンス計画も考慮する

まとめ
リノベ済み中古物件は、上手に選べば「コスパ・立地・デザイン」のバランスが取れた魅力的な選択肢です。特に購入コストが新築より20〜30%抑えられる点は大きな魅力です。
ただし、見た目のキレイさに惑わされず、「設備」「構造」「保証」までしっかり確認して選びましょう。事前の下調べと専門家の目が、失敗しない住まい選びのカギです!
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- [住宅ローン審査に通るためのチェックポイント:金利別シミュレーション付き]
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※この記事は住宅購入のアドバイスを目的としていますが、最終的な判断は専門家との相談の上で行ってください。地域や物件により状況は異なります。
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